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台風による大雨被害のメカニズムと政府に求められる対応

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こんにちは、Taikiです。

昨今異常気象により台風が猛威を振るい各地で大雨洪水が多発しています。

台風19号の人的被害は、死者79名、行方不明者10人とまだ拡大しております。ご冥福と早期復興を祈るばかりです。

今回は私なりに大雨被害のメカニズムを明らかにし、人的被害・住宅被害を大きくした要因に迫りたいと思います。

目次はこちらです。

ダム緊急放流の理由

城山ダムの緊急放流が川の水位を上げたとして非難の声があがっていました。

ダムは治水管理を担い、放流したり貯水することで下流の水量を調節しています。今回は大雨により貯水の閾値を超えたため、緊急放流となりました。もし閾値を超えたまま、貯水を続けていればダム決壊の恐れがありました。城山ダムが決壊すると下流に膨大な水量が流れ込み、神奈川県は甚大な被害を受けていたでしょう。

城山ダム 午後10時から緊急放流 流域で大規模水害のおそれ

出典:NHK

なぜ貯水量が多くなるとダム決壊の恐れがあるのでしょうか。それは水位と水圧に関係しています。水圧の計算式はこちらです。たぶん高校の数学あたりで出てきます。

水圧 p は、p=ρhgという公式を使って計算することができます。
ρ は液体の密度、g は重力加速度、h は水の深さです。

水深が1メートル増えるごとに、1cm2 あたり1ニュートンの力(地球上で約100グラムの物体を支えるのに必要な力)が追加でかかると言えます。

水深が 10 メートル増えるごとに、1cm2 あたり 10 ニュートンの力(地球上で約1キログラムの物体を支えるのに必要な力)が追加でかかると言えます。水深が1メートル増えるごとに、圧力は 10000 パスカルずつ増えていくと言えます。

出典:https://mathwords.net/suiatu

 城山ダムの面積が1201.3km2だとすると・・・その水圧の大きさは計りしれません。。

堤防が決壊する理由

堤防とは住居エリアに水が浸入しないように土砂やコンクリートを盛り上げて作った治水用の構造物です。今回の台風被害では、この堤防が130か所以上で決壊し甚大な被害を与えました。今回の台風被害の大きな要因はこの堤防決壊と言えます。

13日福島県阿武隈川の堤防が決壊しました。福島県では29人の犠牲が出ています。犠牲者の多くは体の不自由な高齢者ばかりです。

堤防が決壊する理由の1つは「バックウォーター現象」です。2つの川が交差するポイントで、流れの早い川(本流)が優先して押し出され、流れの遅い川(支流)は滞留してしまいます。次第に支流の水位が上昇し付近の堤防が決壊してしまいます。この現象は、2018年に岡山県倉敷市真備町でも発生し、町の4分の1は浸水し42名の犠牲者が出ました。つまり、支流ほど水位が上昇しやすく氾濫の恐れがあります。

2つ目の理由としては、堤防の強度不足です。こちらは、ある専門家の見解です。

千曲川那珂川(なかがわ)などで堤防決壊が起きていますが、既に堤防決壊しにくい堤防技術ができているのです。その技術を国交省はなかなか認めようとしない。認めてしまうとダムを作りにくくなるためと(私は)見ていますが、(その技術開発は)国交省自身が始めたものですが、それを途中から否定して進めなくなった。これも大変な問題だと思います」

https://iwj.co.jp/wj/open/archives/459232

この専門家によると、巨額予算確保や天下り先作りのために、ダム最優先・堤防強化は二の次と政府の対応を酷評していました。もちろん堤防を強化するに越したことはないですが、強度の弱い堤防の数はどの位あるのでしょうか。またどの堤防から優先的に強化すべきでしょうか。ダム建築し上流で治水効果を向上させる事と比べ費用対効果はどうでしょうか。まずは問題の全容を知ることが必要です。

住居地が浸水する理由

住居地が浸水する主な原因は、先の堤防決壊と内水氾濫です。川崎市内で発生した大規模な浸水は、排水口よりも多摩川の水位が上昇し川の水が排水管から逆流した事が原因です。つまり川崎市の浸水は、外側からの氾濫ではなく排水管を経由した内側からのものでした。

武蔵小杉のタワマンは、外部からの浸水に備え、土地かさ上げの対策はできていましたが、内部からの浸水は想定外だったようです。このタワマンは今も停電や断水が続いています。

まとめ

今回は、ダム放流から堤防決壊、都市部の浸水へと上流から順に問題を取り上げ、そのメカニズムに迫りました。

今回の台風で最も被害を与えた要因は堤防決壊です。早急な対策が求められますが、まずは被災地の復旧です。温暖化現象に伴う台風の増大を考慮すると、単なる復旧ではなく災害を再発させない「改良復旧」を推し進めるべきでしょう。

個人レベルの対策としては、SNS等の情報収集も大事ですが、平時の時こそ防災意識を高めておくことかと思います。個人的にはこの2冊が読みやすいと思いましたのでご参考までに。